2024年度にはじまる新しいNISAでは、年間投資枠が現行40万円から360万円(つみたて投資枠 120万円+成長投資枠 240万円)に大幅に増額されます。月換算なら30万円です。なお、生涯の非課税保有限度額は1,800万円なので、最短5年間でNISAへの投資枠が上限に達します。
NISA口座は1つの証券会社でしか開設できません。最大1,800万円もの大金を注ぎ込むことになるので慎重に選びたいところです。証券会社選びの一助として、大変お得なクレジットカード投資の観点から比較してみました。
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楽天証券×楽天カード&楽天キャッシュ
楽天カードで毎月5万円まで、楽天キャッシュで毎月5万円まで、合計で毎月10万円までカード投資できるのが楽天証券の特徴です。また楽天市場のSPUが+0.5%になる点もメリットです(毎月3万円以上をポイント利用設定で投資した場合)。
楽天カード投資の還元率は一般カード 0.5%,ゴールドカード 0.75%(年会費 2,200円), プレミアムカード 1.0%(年会費 11,000円), ブラックカード 2.0%(年会費 33,000円)です。
楽天ゴールドカードは楽天市場で優位性がなく、投資で一般カードを超えるメリットもありません。楽天ブラックカードは完全インビテーション制で発行できる会員が限られています。よって一般カードとプレミアムカードの比較が重要かと思います。
楽天プレミアムカードは年会費11,000円ですが、投資の還元率は1.0%と魅力的です。楽天市場の還元率は常時+2%、火・木曜日はさらに+1%になり、ザックリ年間55万円以上の利用で一般カードを超えるメリットが受けられます。
年間利用額には楽天ふるさと納税も含みますので、ふるさと納税をすべて楽天で行ったとして、年収500万円なら約6万円、年収1000万円なら約17万円、年収1500万円なら約39万円が含まれます。
ふるさと納税や日用品をお買いものマラソンで集中的に購入する習慣をつければ、年間利用55万円(毎月約4.6万円)はそれほど高いハードルではないように思います。
楽天キャッシュ投資はそれ自体に還元はありませんが、楽天カードで楽天キャッシュをチャージする際に0.5%の還元があります。よって、間接的に0.5%還元でカード投資ができるということになります。
楽天キャッシュをさらに高還元で入手する方法として、楽天ギフトカードをファミペイ、nanaco、WAONを利用してコンビニで購入する方法もあります。入手方法の多様性が楽天キャッシュのメリットです。例えば、クレジットカード(0.5~0.1%)→ ファミペイ(0.5%)→ 楽天ギフトカードの流れで簡単に還元率1.0%~1.5%を達成できます。
楽天証券のデメリットは保有残高に対するポイント還元が弱い点です。残高が増える過程で一定のポイント付与がありますが、NISA口座枠上限の1,800万円分に達するまでに付与されるポイント数は2,900Pのみです。年率での付与はありません。SBI証券やマネックス証券と比較すると非常に低還元です。
またカード投資とは関係ありませんが、楽天ポイント(期間限定を含む)は楽天ペイでの地方税納付(eL-QR: 地方税統一QRコード)にも利用できるようになりました。自動車税や固定資産税などを納付することが可能です。強い楽天経済圏が戻りつつあります。
SBI証券×三井住友カード
SBI証券のメリットは「投信マイレージ」という保有残高に対するポイント還元制度です。銘柄ごとに付与率が異なり、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)は年率0.042%、SBI・V・全米株式は年率0.0365%です。例えば、オルカンをNISA口座枠上限の1,800万円分保有した場合、年間7,560P(Vポイント)が受取れます。これを高いと見るか、誤差範囲と見るか、価値観は人それぞれです。
三井住友カード投資の還元率は、一般カード 0.5%, ゴールドカード 1.0%(年会費無料化可能), プラチナプリファード 5.0%(年会費33,000円)です。
ゴールドカードは三井住友カードゴールドナンバーレス、Oliveフレキシブルペイ ゴールド、三井住友ビジネスオーナーズゴールドであれば、年間利用100万円(投資を含まず)を達成すると年会費永年無料で保有できます。非常にお得です。
三井住友ゴールドカード 年間利用100万円で年会費永年無料化の詳細
プラチナプリファードはカード投資5.0%という高還元ですが、年会費が33,000円なので投資だけを目的に利用するメリットは皆無です。最低でも年間100万円決済する方(投資分は含まず)でないと厳しいと思います。年間100万円を利用した場合、基本還元率1%にボーナスポイント10,000Pが付与されます。年間で得られるポイントは、投資分 30,000P+決済分 20,000P=50,000Pです。年会費33,000円を引くと実質獲得ポイントは17,000Pになり、実質還元率 1.7%になります。これが保有メリットを活かせる最低ラインかと思います。
また、Vポイントアッププログラムというカード投資やNISA口座の保有でコンビニやファミレスの還元率が上がる制度もありますが、よっぽどそのような加盟店を利用する人でないとメリットを感じないでしょう。
マネックス証券×マネックスカード
マネックスカードで還元率1.1%の投資ができます。年会費無料のクレジットカードでは業界最高水準です。
またマネックスポイントはTポイント、dポイント、Pontaポイント等に交換可能な上位ポイントです。例えば、Tポイントはウエル活で1.5倍の価値になりますので、実質還元率1.65%とみなすこともできます。またdポイント交換増量キャンペーンにも使えます。すなわち1.1%還元以上の価値を秘めています。
保有残高に対する還元も0.03%と高水準です。
楽天市場や三井住友カードの利用頻度が低い方には始めやすくお得なカード投資だと思います。
auカブコム証券× au PAYカード
年会費無料のau PAYカードで還元率1.0%の投資が可能です。年会費11,000円のau PAYゴールドカードがありますが、カード投資における優遇はありません。
他社に比べるとメリットが弱い印象です。
カード投資とは関係ありませんが、auじぶん銀行との口座連携(auマネーコネクト)を設定すると、普通預金金利が+0.099%になります。他の条件も併せて最大0.2%という高金利を実現できます。
まとめ(独断と偏見)
・総合力で楽天。ふるさと納税や日用品などを楽天市場でまとめ買いして年間55万円以上利用するなら楽天プレミアムカード。楽天キャッシュは入手方法次第で高還元。毎月10万円までカード投資できるのも強み。
・年会費永年無料(100万円修行済)の三井住友ゴールドカードがあるなら、投信マイレージが強いSBI証券も良い。プラチナプリファードは最低でも年間利用100万円ないとメリットが弱い。
・楽天市場も三井住友カードも利用頻度が低いならマネックス証券。カード投資の還元率も保有残高に対する還元も良い。マネックスポイントは汎用性も高い。
・私は楽天証券で新NISAをやる予定。楽天ブラックカード保有。資金に余力があれば、三井住友ビジネスオーナーズゴールド(修行済)とマネックスカードのカード投資を特定口座でやりたい。